第1回
今、世間ではGLAY・ラルク・サザンが7/19シングル同日発売の話題で盛り上がっているようですが、この日ある名曲が人知れず発売されていたのを皆さんは知っているでしょうか。中村一義の新曲「1・2・3」である。人知れずというのは言い過ぎかもしれない。知ってる人は知ってるしね。
みなさんは中村一義を知っているでしょうか?名前ぐらいは聞いたことあったりすると思いますが、セールスはそれほどないし、有名ではないですが。今までアルバム2枚シングルは…何枚か知りませんが、結構出しています。1st「金字塔」、2nd「太陽」と言うアルバムを出しています。僕が初めて彼の音楽に出会ったのは1stアルバムが出てしばらくしてからで、音楽ファンの間では「世紀末に現れたとんでもない才能」として知られ始めた頃でした。とにかく初めて聞いた衝撃は並ではなく、何度も繰り返しこのアルバムをむさぼり聞きました(今でもよく聞きます)。
1stの音は…、やっぱりビートルズなんだと思う。影響を受けたんだなぁというのはよく分かる。小難しい事抜きでいいんですこれが、ポップだしジーンとくるんです。歌詞は…時代を見据えたとんでもなくシニカルな現状認識とそれにより発せられる神秘の言葉、はっきり言ってよく分からない、凡人の理解を超える表現もあるんですが、全ての言葉を意味付けしてもしょうがないと思うんで、時折僕の心をぐぅわっしっと捕らえて持っていくフレーズに出会うことに喜びを感じながら聞いていました。彼の曲はホントに、鳥肌のたつフレーズが目白押しなんで。2ndではそんな青い時代の普遍を唄ってきたスタンスから一気にシフトチェンジし、日常の(いわゆる半径5メートル)の音楽へと変貌したのである。おそらく1stの反動があったんでしょうが、アルバム最後の曲がラブソングであったりと、普通の事を彼なりに切り取った感動として唄ってます。
個人的にやはり1stの頃の攻撃的なスタイルが好きで、「ヌルイこと歌ってないで、頼むよナカムラっ」と思っていたら、帰ってきたんです、そんな彼が。しかも2nd出した事でさらにパワーアップしてるんですこれが。次のシングル曲「ジュビリー」ではブレイクビーツにのせて叫ぶナカムラがいたんです。それは「金字塔」の数倍の衝撃だった。「そうか、それをやるためだったんだね」と勝手に納得してしまったんですが。
その後レコード会社との契約が切れ、インディーズでの発売を余儀なくされたゴスペル調の「ハレルヤ」(日産の本人も出演しているCMにも使われてるよ)を経て、今回のメジャー復帰第一弾シングル「1・2・3」の発売となったのである。ホントこれいいんだから、ブレイクビーツにのせて叫ぶフレーズに、戦ってるナカムラを感じる。過去最高傑作だと胸張って言える楽曲だと思うし、次はさらに進化することも予想できる。8月位に出る新アルバムもすげー聞きたいし、みんなにもぜひ聞いて欲しいと思う。妙な先入観や偏見を持たずに耳を傾けて欲しい、そうすればこの音楽に出会えてよかったと感じると思うから。
”青クサイ?ってそりゃ、いいね、いこう。「もう何にも無い」って、前に、あいつは言った。そうじゃない。光景、刻む心がここにあった。そして、何か感じて、この先どこかで会おう。会おう。” 「1・2・3」より