第3回

「ゆるがない幸せが、ただ、欲しいのです」
???くるり?どうした、なんてロマンチックなんだ?
前作アルバム「図鑑」、局長もよく聞いてくれたアレ、メールで書いてたときにも紹介さしてもらいました。
覚えてる人はいるかい?(忘れた人はゴミ箱に捨てた僕のメールを引っ張り出せ!)
そう、あの誰も右に出るもののいなかった圧倒的な作品の後に出したシングルの最初のフレーズが前述のも
のなんです。あの、時代へ叩きつけた世紀末傑作の後に、くるりはなんとラブソングを持ってきた。そのタ
イトルは『春風』、なんともさわやかなタイトル。
これがあの”必要なのは愛だけさ、笑うなよ殺すぞ”と言う愛の表現しかしなかった男の曲か?
”人だって平気で刺すかも”などと、あの生々しい言葉の数々で、憂鬱などうしようもない時代を切り裂い
た男の曲か?

やられたよ、完全に。すごくいい、岸田の声がやさしい。くるりが本格的にラブソングを書くとこうなるのか。
歌詞もすごくやさしく、深く包みこむ。しかも独りよがりにならず、まっすぐに唄う。この曲、僕はリピート
して何回も聞きました。歌詞完全に暗記してます。聞けば聞くほどさらにはまる、くるりマジック。
実は聞いているうちに僕は涙が出そうになりました。歌詞だけじゃない、声、音、そのほか全てに涙が出そう
になりました。マジです。ここまでのものは初めてです。
”帰り道 バスはなぜか 動かなくなって しまいました 
 傘をさがして あなたをさがして  遠く汽車の窓辺から 春風も見えるでしょう”
この曲の最後のフレーズ、何気ない言葉達、でも曲全部聞いた最後でこのフレーズはやられる。
ぜひぜひ聞いてください。サウンド的にも文句無し、さすがです、名曲。
感動したい奴は、聞け!くるりらしい、アナログなサウンドと歌が心に染みわたるから。
で、今回これだけじゃない。この曲タイトルどおり春の曲。出たのも初夏頃だったかな。新曲じゃないんです。
ただ、あまりにもいい曲なんで、紹介しておきましたが。

そうくるり新曲、出ました最近。この感動的ラブソングに続くのは?その名も『ワンダーフォーゲル』だ。
ピコピコ〜ピ〜、なにやら電子音が…。ああぁぁぁぁっ!?打ち込みだと?
そう、そのサウンドプロダクションは、「歌モノ四つ打ち・ダンストラック」なのである。
どういうことだ?あの感動はどこだ、アナログなしっとりとしたやさしさはどこだ?
最初のイントロからなんちゅーインパクト!正直ひくほどの変化。CDの帯を見るとそこには、
「若者的刺激音楽」のコピーが、そういうことね。正直、あせった、置いていかれた。ここまで変化できるバン
ドなんだ。苦悩の末でなく軽やかに、表面的でなくしっかりと。そんで曲自体は…、ポップス。すごいポップ
だ。おいおい、こんなに楽しげでいいのかい。突き抜けすぎてる。彼らは次にどうするつもりなんだ?と頭に
疑問符が浮かぶ。インタビューを読んだ、これは方向転換ではなく、彼らの力を証明できる作品だと思った。
そう、何も変わっちゃいない。歌詞を見れば、音をしっかり聞けば、彼らの色がくっきり見えてくる。
これは「離れ離れになってしまう事」についての歌だ。そして曲自体のよさ、その思い、全てくるりなんだ。
彼らは「もうこれはやらないと思うし、次はもっと違う事になる」、そう言っていた。

そう、「図鑑」はとんでもない傑作だし、『春風』は文句無しに名曲だ、しかしもうそれはそれで、彼らは
次に進んでいるのだ。僕達の想像を越える何かをやってくれる、この「ワンダーフォーゲル」という曲は、
そんな進み続ける彼らから僕達への宣戦布告、そんな大切で、素晴らしい意味のある曲なのだ。

まぁぁぁあだ、くるりを聞いてない奴!一回聞けって、損はしないよ。

”遠く汽車の窓辺から 春風も見えるでしょう 
  ここで涙が出ないのは 幸せの一つなんです ほら また雨が降りそうです”     『春風』より
”ハローも グッバイも サンキューも 言わなくなって 
  こんなにもすれ違って それぞれ歩いてく”                   『ワンダーフォーゲル』より
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